サッカーチームはどうやって儲けているの?収入(売上)はどこから?(事業構造:収益編)

2020年1月24日

前回ブログでは、サッカーチームの事業の大きさについてお話ししました。
今回は、
・サッカーチームの儲けの構造(収益構造)
・Jリーグチームの収益構造の現状
・ヨーロッパチームとの比較
について皆さんにお伝えしたいと思います。

結論から言いうと、儲けの構造には「4本柱」があります。

  • 入場料収入
  • 広告収入
  • グッズ販売収入
  • 放映権収入

また、Jリーグのチームは、すべての収入項目の規模においてヨーロッパに後れを取っており、中でも放映権がとても少ないという現状があります。

順にご説明します。

<ちなみに費用編↓>

儲けの構造

サッカークラブの基本的な儲けの構造(収益の構造)は、4本柱です。

  • 入場料収入…スタジアム入場者からの入場料等
  • 広告収入…ユニフォームやスタジアム内の企業ロゴなどの広告等
  • グッズ販売収入
  • 放映権収入…TV・ネットなどの放映権
    (Jリーグの場合は、Jリーグが放送会社と契約を結び、各クラブに分配する)

Jリーグの放映権は公益社団法人日本プロサッカーリーグが一括して管理・販売し、それによって得られた放映権料を各クラブにJリーグ配分金として分配しています。

皆さんご存知の通り、2017年から明治安田生命Jリーグ放送に関してはDAZNと10年契約を結んでおります。https://www.jleague.jp/news/article/6462/

また、ルヴァンカップ、天皇杯などは、スカパーや民放とも契約しております。

Jリーグチームの収益構造

(今回の分析において、Jリーグチームについては、Jリーグ分配金を放映権収入とします。正確には、Jリーグ分配金には放映権収入以外にも項目があるのですが、Jリーグ分配金に占める放映権の割合が大きいため、ここではJリーグ分配金を放映権収入として書いていきます。)

今回は前回に引き続き、鹿島アントラーズを例にとって構造を見ていきましょう。鹿島贔屓がすごいと思われるかもしれませんが、あくまで例ですので、ご勘弁ください。

下記図は、Jリーグチームの平均の収益構造鹿島アントラーズの収益構造を図示したものです。(データはJリーグ公表データ(2018年度版)を参照 https://www.jleague.jp/docs/aboutj/club-h30kaiji_3.pdf)

ここからわかっていただける通り、Jリーグ平均と鹿島アントラーズ共に、広告料収入が比較的大きな割合を占めています。2番目に大きなカテゴリーが入場料収入となっています(その他収入を除く)。そして、物販放映権がその次にきて、最後にアカデミー収入となっています。4本柱+アカデミーという構造です。

1.広告料収入 2.入場料収入 3.物販 4.放映権 5.アカデミー+その他

さらに、鹿島はJリーグ平均に比べ放映権収入、物販収入とその他収入が絶対値で多いことがわかります。

これは、
2017年のリーグ戦の成績が良かったこと(2位)により2018年にJリーグからくる放映権収入が増えた
人気のあるクラブであるための物販収入が大きい
さらに2018年のACL優勝、ルヴァンカップ4位、天皇杯4位の好成績がもたらしたその他収入が増えた
の3つの影響かと思われます。
(その他収入にリーグ戦の賞金が割り当てられるという確証がなかったため、その他収入増の要因については仮説。)

次に収益合計を100としてそれぞれの割合を見てみましょう。

Jリーグ平均>
広告収入が半分弱を占めています
鹿島>
その他収入が大きな割合を占めています。

仮に、その他収入にリーグ戦の賞金が割り当てられるという私の仮説が間違っていなければ、鹿島の経営はサッカーチームの成績に大きく依存している体質といえます。

私は、スポーツチームの経営がチームの成績に大きく依存している姿は、スポーツチームの目指すべき姿でないと考えています
現に、マンチェスターユナイテッドはずっとチャンピオンズリーグに出ていないにもかかわらず、収益規模はヨーロッパ1位か2位です
阪神タイガースも成績が悪くても経営が大きく傾くことはありません。
以前ブログでもふれたとおり、鹿島の経営状態は、2017年は赤字で2018年に業績が回復していました。やはり、鹿島の経営は改善の余地ありのように感じられます。

ご参考まで↓

ヨーロッパチームとの比較

それでは次に、
「マンチェスターユナイテッド」
「ヨーロッパのサッカーチーム営業収益Top20にランクされるチーム(バルセロナ、レアルマドリード、バイエルンミュンヘン、チェルシー等)」
「プレミアリーグの平均」

と比較してみましょう。(データはフットボールマネーリーグ2019より参照) https://www2.deloitte.com/global/en/pages/consumer-business/articles/deloitte-football-money-league.html)

規模が違いすぎて、日本がぐちゃってなってしまいましたww
欧州に比べて事業規模が小さいことが再確認できます。

一方これでは何もわからないので、割合を見てみましょう。
売上合計を100としたときの割合を示しています。

プレミアリーグの平均を見ると、放映権収入の割合がものすごく大きいことがわかります。
プレミアリーグでは多くのチームが収益の60%程度を放映権で得ていることがわかります。

また、ヨーロッパ収益Top20のチームとマンチェスターユナイテッドも40%前後を放映権で得ています。

一方、Jリーグ平均鹿島の全体に占める放映権の割合は10%と11%です。

さらに、少し極端な例ですが、その他収入を獲得賞金だと考えて、仮に鹿島がすべての大会で早期に敗退したとします。獲得賞金がなくなるわけです。この時、その他収入がないと仮定すると、割合の図は下記のようになります。(簡易化のためアカデミーの売上も削除した)

こうしてみてもやはり、Jリーグ平均と鹿島の全体に占める放映権の割合は欧州に比べて少ないです。

ヨーロッパは、チームが経営努力をする以前の放映権の段階で、ある程度の収益が確保されていることがわかります

サッカーチームの経営努力にはいくつかの方法があり、チームが試合で勝つことによって賞金を稼ぐ、フロントが努力することで広告や物販収入を上げる、チームとフロントが相互に努力し入場収入を稼ぐ、などがあります。
一方で、日本のサッカーチームの業績を向上させるには、チームの経営努力以前に、JリーグがACL、ルヴァンカップ、さらに天皇杯などの大会の放映権を見直すことも一つの手段として有効ではないでしょうか。

まとめ

儲けの構造には「収益の4本柱」があります。

  • 入場料収入
  • 広告収入
  • グッズ販売収入
  • 放映権収入

Jリーグのチームは、すべての収入項目において規模でヨーロッパに後れを取っており、特に放映権がとても少ないという現状があります。

経営状況の改善には、チームの経営努力だけではなく、リーグの努力も同じく必要だということが再確認できました。