経営の安全性について スポーツチームの財務分析【応用編】鹿島アントラーズとマンチェスターユナイテッドを例に

前回に引き続き、スポーツチーム経営分析を理解するうえで必須である会計についてお話ししたいと思います。

前回は財務諸表が読めると何が嬉しいのか財務諸表とは何なのか一般的なサッカーチームの財務諸表イメージPlとBSの関係財務諸表のどこを見ればいいのか?についてお話してきました。↓

今回は、
・財務諸表のどこに注目したらよいのか?の応用編で【安全性】
について、お話ししたいと思います。

これがわかれば「自分の応援するスポーツチームの経営状態の安全性」がわかります。

財務諸表なんて一度も見たことがない!という人に向けて、解説したいと思います。

スポーツチームにおいて、チームの勝敗だけでなく、チームの経営状況を理解することで、好きなチームの新たな一面が見えてきます

財務諸表のどこを見れば安全性がわかるのか?二つの安全性

会社の安全性を知るにあたり財務諸表で見るべきところは、
貸借対照表(Balance sheet: BS)です。

BSの意味が分からない方は、下を参照してください。↓

BSを見ることで安全性がわかります。
さらに、安全性は2つの見方があります。本当は2つ以上確認の仕方がありますが、今回は2つご紹介します。

負債と純資産の割合でみる安全性

BSには、右と左があり、それぞれ、資産、負債、純資産と呼ばれていました。

また、左は、自分の会社の資産でどのようにお金を使ったか、右は、どのようにお金を調達したかを表すものでした。

さらに、右側の負債と純資産の違いは、負債は返さないといけないお金で、純資産は返さなくてもよいお金です。

負債と純資産の箱の大きさを見比べます。

資産全体の中で負債の割合が大きいと、安全性は低いと言えます。

なぜなら、負債が大きくなりすぎて、お金を返すことができなくなれば、会社はつぶれてしまうからです

実際に、鹿島アントラーズとマンチェスターユナイテッドで見てみましょう。二つのBSの縮尺を合わせてみました。

ご覧いただくとわかる通り、マンチェスターユナイテッドの負債の割合は鹿島に比べ大きいですね。 資産全体の中で負債の割合が大きいと、安全性は低いといえるため、マンチェスターユナイテッドの安全性は低いと言えます。

つまり、鹿島はマンチェスターユナイテッドより安定した経営ができていると言えます。

(一方、安定しているだけの経営がいいかどうかは、別問題としてあります。成長の機会を失っているという見方もできる。)

流動負債と流動資産の割合でみる安全性

次に流動負債と流動資産の割合でみる安全性を見てみましょう。

以前のブログでお話しした通り、流動負債は1年以内に支払いの期限が到来する債務で、流動資産は1年以内に換金可能な資産でした。
以前のブログ↓

この流動資産と流動負債の大きさを見比べます。

流動負債より流動資産が小さいと、安全性が低いと言えます。なぜなら、1年以内に返さないといけないお金(流動負債)が、1年以内に換金可能な資産(流動資産)より大きいということを表しているからです。

それでは再度、鹿島アントラーズとマンチェスターユナイテッドで見てみましょう。

お判りいただけるとおり、鹿島の場合は流動資産が流動負債の大きさを大きく上回っています。そのため安全性が高いと言えます。一方、マンチェスターユナイテッドは流動資産と流動負債の大きさは流動負債のほうが大きいです。そのため、安全性が低いと言えます。

つまり、この指標からみてもマンチェスターユナイテッドは鹿島より安定性が低いと言えます。

以上安全性をはかる二つの指標をお伝えしました。

まとめ

負債と純資産の割合でみる安全性
   資産全体の中で負債の割合が大きいと、安全性は低いといえる
   資産全体の中で負債の割合が小さいと、安全性は高いといえる

流動負債と流動資産の割合でみる安全性
   流動負債より流動資産が小さいと、安全性が低いといえる
   流動負債より流動資産が大きいと、安全性が高いといえる