【2018シーズンまで】近年の良くない鹿島アントラーズの経営状況

2020年7月4日Jリーグ,スポーツビジネス

今回は、鹿島アントラーズの企業価値を推計するにあたり、近年のどのような経営状態であったかを財務諸表を通して分析しました。

結論から言うと、これまで経営がうまくいっていたとは言えないです。

私もこれまであまり注視していなかったのですが、ここ5年間でなんと2回も赤字の決算を行っていました。さらに、利益剰余金も薄く2014年と2015年はマイナスとなっていました

メルカリが経営権を取得した金額が安いと感じたのも、ある意味納得できるかもしれません。

なぜそうなってしまったかの理由の部分は後日分析するとして、今回はJリーグが公表している決算データをまとめたものをお示ししたいと思います。

ちなみにJリーグチーム全体の経営状況を分析した記事はこちら

メルカリによる買収額についての記事はこちら

2018年度業績

まず、前回ブログでは触れられなかったのですが、日経新聞の記事で、2019年1月期の純利益は4億2500万円の黒字だと触れられています。(日本経済新聞2019年7月31日記事よりhttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO48009870R30C19A7X93000/ )

ちなみに前回ブログ↓

そこで2019年1月期(2018年度)の分析から行ってみます。

JリーグHP(https://www.jleague.jp/docs/aboutj/club-h30kaiji_1.pdf)によりますと、2018年度鹿島アントラーズの営業収益は73.3憶円、営業費用は67.4憶円、営業利益は5.8憶円、当期純利益は4.3憶円です。ちなみに営業利益率は8.0%です。上場企業の平均営業利益率が4%前後であることを考えると、健全な経営が行えているような気がします。

財務諸表を図示すると下記のようになります。

ここで、1つ注目してほしいのが注目いただきたいのが貸借対照表において資本金が占める割合が大きいということです。

一般的な多くの会社は、借金をしてそれを投資に回していますので、上の図の中では、流動負債や固定負債という部分が大きくなって資本金の占める割合が小さくなります。

例えば2019年3月期の株式会社ZOZOの貸借対照表を図示するとは下記のようになります。

上の図では、有利子負債やその他流動負債というピンクであらわされた四角が大きな割合を占めていることが分かります。

つまり、普通の会社と比べて、鹿島の場合は、あまり借金をせずに経営をしていたということが言えます。
会社を大きくしようとすると、借金をして投資する行為は普通ですよね。
サッカーチームに何らかの力が働いて、借金できないか、借金しない経営をしていたのか、原因が何かはわかりませんが、鹿島の2018年度の貸借対照表は資本金の占める割合が大きいです。

2017年度業績

次に、2017年度の業績を見てみたいと思います。

なんと1億4千万円の赤字です。(上の図の、右側の棒中の営業利益‐139となっている)

鹿島が赤字になっていたなんて、考えたことがありませんでした。あの10冠の鹿島が…

さらに、2018年と同じ縮尺で比べると下記のようになります。

2018年は営業収益が大幅に増えていますね。大きな要因としては、ACLの優勝とDAZNマネーがあるのではないでしょうか。それが影響して黒字になったのであれば、鹿島のサッカーチームの成績が悪くなった途端に、再度赤字に転換してしまう恐れがあります。

2014年~2018年度経年比較

最後に、過去5年の経年比較をしてみたいと思います。

まず、損益計算書。

冒頭にも書きましたが、過去5年の中で2年が営業赤字。2014年も営業利益率0.7%でとても低いです。このあたりの詳細な分析は次回以降に行いたいと思います。

次に、貸借対照表。

利益剰余金がマイナスになっている年が2年もあります。

ここで利益剰余金とは、ざっくりいうと過去の会社の稼ぎと当該年度の損益で表されるものです。

当該年度で赤字を出すと利益剰余金がマイナスに向かっていきます。一方、利益剰余金は過去に稼いだ利益の蓄えも意味するので、少しの赤字ではマイナスになることはありません。細かく言うと、繰越利益剰余金がマイナスとなっている企業は、過去にそれほど大きな赤字を出した経緯があり、さらに、それを回復させるほどの利益を未だ出せていない可能性があります。平たく言うと、あまり好ましくない状態です。

流動資産の変動についても、今後分析していきたいと思います。

まとめ

鹿島アントラーズの企業価値を推計するにあたり、近年のどのような経営状態であったかを財務諸表を通して分析しました。

2015年度2017年度で赤字の決算を行っていました。さらに、利益剰余金も薄く2014年度と2015年度はマイナスとなっていました。

なぜそうなったか、今後分析していきたいと思います。 何とか仮定を置いてでも企業価値の算定までたどり着ければと思っています。

ちなみにJリーグチーム全体の経営状況を分析した記事はこちら

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