オリンピックはどうやって儲けている?大会収益(売上)はどこから?

2020年8月16日スポーツビジネス

[フリーイラスト] オリンピックの旗

今回のブログでは、オリンピックの大会自体がどのように売上げを上げているか?どんなビジネスの仕組みで儲けているか?について、お伝えしたいと思います。
東京オリンピックやほかの大会を例として用いながら、収益の全体像に触れた後、放映権、チケット販売額について詳しく述べています。

東京オリンピックのチケットは入手が難しく、私も1つも手に入れることができませんでしたが、チケットの収益が、大会全体の収益のどの程度を占めているかも気になるところです。

4年に1度の世界的な大会ですので、さぞかし大きなお金が動くんだろうな~と、想像できますが、実際は何がどんな金額で大会の収益となっているのでしょうか?

オリンピックやスポーツ大会に興味がある方、また、大学のイベント企画サークルの方にもおすすめの記事となっております。

ちなみに費用編↓

オリンピックの収入にかかわる組織

収益の解説に入る前に、組織の解説からしたいと思います。

オリンピックの収入にかかわる組織は大きく2つあります。
・IOC(International Olympic Committee:国際オリンピック委員会)
・OCOG(Organising Committee for the Olympic Games:オリンピック組織委員会)

ICO

ICO(International Olympic Committee:国際オリンピック委員会)は、オリンピックを主宰する団体であり、国際スポーツ団体を統括する組織です。今の会長は、第9代目となるドイツのトーマスバッハさんで、なんと筑波大学の名誉博士です。かつてフェンシングで金メダルを獲得されています。

OCOG

OCOG(Organising Committee for the Olympic Games:オリンピック組織委員会)は、オリンピック憲章において、大会の開催地が大会の組織運営のため、設立が義務付けられている組織です。
東京オリンピックの場合は、TOCOG(Tokyo Organising Committee for the Olympic Games:東京オリンピック競技大会組織委員会)と呼ばれ、通称「東京2020組織委員会」と呼ばれています。
↓このウェブサイトを作っている団体ですね。チケット販売などを統括しています。

https://tokyo2020.org/jp/

会長は、元首相の森喜朗さんです。
この2つの団体があるんだなーと覚えておいてください。

オリンピックの収入源

オリンピックの収入源は、大きく6カテゴリーあり、上の2つの組織でそれぞれ役割が定められています。

・放映権(Broadcast Partnerships)
・オリンピックTOPスポンサー(The Olympic partner(TOP) program)
・国際スポンサー&ライセンス(IOC official supplier and licensing program)
・国内スポンサー(Domestic sponsorship)
・国内ライセンシング(Licensing within the host country)
・チケット売上(Ticketing)

上の3つ(放映権、TOPスポンサー、国際スポンサー)がICOによって管理されていて、
下の3つ(国内スポンサー、国内ライセンシング、チケット)がOCOG(通称:東京2020組織委員会)によって管理されています。

東京オリンピックを例にとると、下の図のような感じ。

東京オリンピックの予算の例(V4、2019年12月20日時点)

東京2020組織委員会の公式HPで公開されている予算を例に、収入を見ていきましょう。
https://tokyo2020.org/jp/games/budgets/


図にするとこんな感じ。

割合にするとこんな感じ

国内スポンサーからの収益が全体の55%を占めていますね。
気になるチケットの売り上げは14%です。

過去のオリンピックとの比較

ここで、ロンドンオリンピック、リオオリンピックの実績と比較してみましょう。
図示すると下のようになります。

リオやロンドンを上回る収益を上げる予算になっています。ぜひ実現したいですね。

次に割合です。

割合で見ると、東京オリンピックにおける国内スポンサーの収益割合が高いことが分かります。
つまり、IOCからすると、TOCOG(東京2020組織委員会)が、国内スポンサーを集めてくれるから、IOCの負担金が減るということで、結構おいしいオリンピックなわけです。
改めて 東京2020組織委員会の立場見てみると、挑戦的な目標ではないかと思います。これまでの大会よりも、自分たちで国内スポンサーを集めなければならないからです。果たして達成できるのでしょうか。

一方で、皆さんお気づきかと思いますが、放映権収入が小さすぎるのでは?と思ったのではないでしょうか?
よく予算案を見てみると、「放映権」が途中で「IOC負担金」という項目に入れ替わっています

以前のブログで、プレミアリーグは放映権で大きな収益を得ているということをお話ししました。
オリンピックという大舞台で、放映権がこんなに小さいわけありません。

この後、放映権とIOC負担金の関係チケット販売について、もう少し細かく見てみましょう。

放映権とIOC負担金の関係

実は、IOC自体の収益は75%ほどが放映権、15%がトップパートナー契約で賄われています。
IOCはその収益のうち、90%はオリンピック費用やスポーツの発展に使い、残りの10%をIOCの発展に使うといっています。
さらに、それぞれのオリンピックに関連した費用は公表しており、以下のようになっています。

上図の通り、IOCは大会で発生した放映権とTOPパートナー収入を、すべて大会に還元しているわけではありません。
そのため、全体に占める放映権の割合が少し小さくなるわけです。

さらに、見ての通り、IOCが得ている収益と大会におけるIOC負担はに差があります。
もう少し負担してくれてもいいのになと思いますね。

チケット販売

チケット販売については、経年の販売率と販売額をまとめました。

販売率については、近年90%で推移しており、東京オリンピックのチケットの人気を考えると、今回も90%以上が見込まれます

一方販売額は、開催都市によってバラバラです。

東京オリンピックの目標は、ロンドン並みで設定しています。チケット価格も含めて、東京の腕の見せ所ですね。

まとめ

収益源

・放映権(Broadcast Partnerships)
・オリンピックTOPスポンサー(The Olympic partner(TOP) program)
・国際スポンサー&ライセンス(IOC official supplier and licensing program)
・国内スポンサー(Domestic sponsorship)
・国内ライセンシング(Licensing within the host country)
・チケット売上(Ticketing)
の6つ。

上の3つ(放映権、TOPスポンサー、国際スポンサー)がICOによって管理されていて、
下の3つ(国内スポンサー、国内ライセンシング、チケット)がOCOGによって管理されています

東京オリンピックの予算案
国内スポンサーの目標が他と比較し高く設定されている。

放映権
まずIOCの収益となり、その後各実行組織に分配される。

チケット
販売率は近年90%程度で推移している。東京オリンピックの販売額目標は、ロンドン並みの高めの設定となっている。

がみ
国立大工学研究科➡国内大手企業(全社5,000人の中から、選抜制海外駐在員に抜擢される)➡2年制国内フルタイムMBA(スペインIE business schoolに半年間交換留学)➡フリーランス
サッカー歴25年
欧米サッカー現地観戦試合数30試合以上
元社会人関東1部サッカーリーグ所属、元Jリーグチームインターン、元甲子園売り子
詳しいプロフィールはこちら