マンチェスターユナイテッドの収益構造の詳細(売上、収入編)

今日は、マンチェスターユナイテッド(Manchester United)の収益構造の詳細を見ていこうと思います。収益構造を知ることは、チームの経営状態を知るうえで欠かせません。
以前、大くくりに、サッカーチームの収益構造はお話ししましたが、具体的なチーム(マンUの2018/19シーズン)を取り上げ、サッカーチームの収益構造のより詳細をお伝えしようと思います。
このブログは
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今日時点で、日本にあるマンチェスターユナイテッドの経営を分析しているブログの中では一番詳しいです。
一緒にスポーツビジネスについて学びを深めていきましょう!
マンチェスターユナイテッドは2012年8月に、NY株式市場に上場しています。そのため財務諸表を入手できるのです!
費用編は↓
マンUの経営状況について書いたブログはこちら↓
以前の収益構造を大まかに描いたブログはこちら。ヨーロッパチームとJチームの比較もあります。↓
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全体の収益構造
サッカーチームの収益には大きく4本の柱があるとお伝えしました。
広告収入
入場料収入
グッズ収入
放映権収入
これを、マンチェスターユナイテッドは、大きく3つのカテゴリに分けて世の中に発表しています。 (1£130円換算)
Commercial 358億円
Broadcasting 314億円
Matchiday 144億円
の3つです。
でも、中身は一緒です。
それぞれの項目を順にみていきましょう!
2018/19シーズンの各項目の金額の内訳は下の図のようになります。

Commercial
Commercialには、4つの柱の、Sponsorship(広告収入)、Retail,Merchandising, Apparel & Licensing(グッズ収入)の2つが含まれています。
Commercialの内訳
・Sponsorship(広告収入)
・Retail,Merchandising, Apparel & Licensing(グッズ収入)
順にみていきましょう!
Sponsorship(広告費):225億円
マンUは、イングランドの企業だけでなく、世界中のトップ企業とのスポンサー関係を通して、“マンチェスターユナイテッドブランド”の価値を高めている!と高らかに宣言しています。
スポンサーになるとどのようないいことがあるのでしょうか?
マンチェスターユナイテッドは下記8つの権利をスポンサー企業に付与しています。
・ブランドやロゴや知的財産を使用する権利
・監督や選手の肖像権
・MUTVでの広告活動
・ウェブサイトやアプリでの広告活動
・ソーシャルメディアのチャンネルでの広告活動
・オールドトラフォードでのデジタル広告
・インタビュー時の背景広告
・顧客データベースをターゲットとして広告する権利
実に様々な項目が並んでいますね。
特にSNSなど新しい広告媒体での広告費も当然含まれており、多くのファンをSNS上で抱えるマンチェスターユナイテッドならではではないでしょうか?
中国版ツイッターであるWeiboのフォロワーも200万人いたようですが、最近閉鎖してしまったそう。なぜなんでしょうか…
注目したい点は、2つあります。
胸スポンサー
1つ目は、胸スポンサーについて。

現在はGeneral Mortors(Clevrolet)が胸ロゴに入っています。2014/15シーズンから2020/21シーズンまで、総額£559M(約726億円)の契約をむすんでいます。
700億円…桁違いですね…
1年あたり£58.6M(約76億円)です。横浜Fマリノスの年間総収入くらいありますね…
ちなみに、過去からの1年あたりの胸スポンサーが支払っている金額は下の図。
バブルですね。契約更改ごとに増加しています。これだけマンチェスターユナイテッドのチームとしての価値が上がっているという証拠なのかもしれません。

adidasとのスポンサー契約
2つ目は、ユニフォームスポンサーのAdidasとの契約について。
2019年はadidasからのsponsorship feeが全収入の12.6%を占めています。2015-16シーズンから10年総額1,300億円の契約を結んでいます。マンチェスターユナイテッドからすると1年で130億円手に入るわけですから、ビッグディールですね。
Retail,Merchandising, Apparel & Licensing(グッズ収入):133億円
皆さんご存じの通り、スポーツチームはグッズを販売しています。スポーツアパレル、トレーニングウエア、その他服飾、家庭用品の販売額の合計金額です。ライセンス収入も含まれています。

これらをマンチェスターユナイテッドは自社ブランドの小売店、Eコマースで売るだけでなく、他の業者様に卸して販売をしています。
2019年は下の2点を強調していました。
まず、NFL,NBL,NHLなどのアメリカのリーグに所属するチームと違い、マンチェスターユナイテッドは、小売りとアパレルのライセンシングで、選手の肖像権を完全にコントロールしていると主張しています。NFLなどは、チームではなく、ファンドが肖像権を保有している場合があります。
次に、中国での戦略について。Harves Entertainment Groupとマンチェスターユナイテッド体験センターを作る戦略的長期パートナー契約に合意したことを強調しています。マンチェスターユナイテッドがより人生の一部となるように、最新の技術をつかったエンターテイメント施設を計画しており、レストランや小売りストアも併設されることが計画されています。2020年終わりには北京、上海でのオープンが予定されていたようですが、コロナの影響でどうなるか…
それにしても、プレミアリーグにとって大きな市場である中国に、施設を作るとは、さすがマンチェスターユナイテッドです。完成したら行ってみたいと思います。
Commercial まとめ
以上Commercialの項目を図示すると下のようになります。

Broadcasting(放映権):313億円
Broadcastingは放映権です。近年放映権は高騰する方向にあります。一口に放映権といってもここにはどんな放映権が含まれているのでしょうか?
・プレミアリーグ
・UEFAリーグ
・国内カップ戦
・MUTV
・大会賞金
注目したいのは次の二点です。
MUTV
1つ目は、マンチェスターユナイテッドがMUTVという自社所有のTVチャンネルを持っていることです。このチャンネルは世界56か国以上で放映されています。
「このチャンネルをあなたの放送局で放送したかったらお金くださいね~」と言っています。さすが商売上手ですね。
メイン放映権
2点目は、放映権の内訳。プレミアリーグからの放映権が全体の収益の24.1%、UEFAからの放映権が全体の収益の13.3%を占めています。全体の収益の40%弱が2つの大会からの放映権です。いかにヨーロッパサッカーが世界から注目されているコンテンツなのかが分かりますね。

Matchday(入場料):144億円
Matchdayは入場料収入です。
オールドトラフォードは74,140席あり、イギリスで最も大きいスタジアムです。
さらに21年連続で、毎シーズン平均入場者が満席の99%を維持しています。

さらに、オールドトラフォードには8,000ものエグゼクティブシートと、149の最上級box席、24のレストランと4つのバーがあります。自前で運営しているものは、入場料に含まれています。

メンバーシップ料金、マッチデイプログラム、駐車場代、マンチェスター資料館、オールドトラフォードで開催されるラグビーイベント、音楽イベント等の代金も含まれています。
チケットを購入するには£35(約4000円)のメンバーシップに加入する必要があり、18/19シーズンでは世界で25万4千人加入しているそうです。
チケットを買う権利だけで11億円稼いでいるマンUおそるべし…
収益構造詳細図
上記の詳細を図にまとめると下のようになります。

まとめ
収益構造は4本柱
広告収入、入場料収入、グッズ収入、放映権収入
マンUはCommersial, Broadcasting, Matchdayとカテゴリー分けして公開している。
特徴的なのは、収益の24.1%がプレミアリーグの放映権、13.3%がUEFAからの放映権、12.6%がアディダスとのスポンサー契約。
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