マンチェスターユナイテッドの費用構造の詳細(コスト、出費編)

今日は、マンチェスターユナイテッド(Manchester United)の費用構造の詳細をお伝えします。
経営を語るうえでコスト感覚を持っていることは大切です。
「マンUって、クリロナがいた時代は強かったけど、今下火じゃん…」と思うなかれ!
ヨーロッパサッカーチームの2018/19年間売上3位のチームなのです!(1位はバルサ、2位はレアル)
マンユーから学ぶことは多いのです!
「下火なのに儲けられる」スポーツチームの経営で言うと素晴らしいチームなのです。
以前、サッカーチームの費用構造はお話ししましたが、具体的なチーム(マンUの2018/19シーズン)を取り上げて、より詳細をお伝えしようと思います。
このブログは
マンチェスターユナイテッドにどんな費用があるのか興味がある人
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にお勧めのブログとなっています。
マンチェスターユナイテッドの費用について、今日本でこれほど詳細に書かれているブログはありません。
ちなみにマンチェスターユナイテッドの収益をかいたブログは↓
以前サッカーチームの費用について書いたブログはこちら↓
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費用の全体
以前のブログに書いたように費用は大きく3つにまとめられると書きました。
- 人件費:選手やスタッフの給料など
- 販管費:減価償却費(固定資産や選手の権利)やチーム広告にかかる費用など
- その他費用:アカデミーの運営費、試合・物販関連費など
マンチェスターユナイテッドは、費用を大きく5つに分けて管理しています。
Employee benefit expenses(人件費)
Other operating expenses(その他営業経費)
Depreciation and impairment(施設などの減価償却費)
Amortization(選手登録費の減価償却費)
Exceptional items(その他費用)
上の3つに照らし合わせるとこうなります。
- 人件費:Employee benefit expenses
- 販管費:Other operating expenses, Depreciation and impairment, Amortization
- その他費用:Exceptional items
全体における各項目の割合はこちら(1£130円換算)↓

順にみていきましょう!
Employee benefit expenses(人件費):432億円
人件費は、費用の中で半分以上を占めています。
言わずもがなですが、
選手の給料、ボーナス、保険
監督やコーチの給料、ボーナス、保険
管理スタッフの給料、ボーナス、保険
が含まれています。
今後もこの人件費は高騰していくとマンチェスターユナイテッドは予想しています。
サッカーチームですものね。よい選手によい給料を払わないと、成り立ちませんよね。
必然的に人件費は高くなるのですね。
ちなみに、2018/19シーズンの選手や従業員の数は以下の通りです。
サッカー選手(男女合わせて):104人
サッカーのテクニカルコーチや監督:163人
営業など商業に関わる人:114人
メディア:85人
管理業務やその他スタッフ:474人
合計:940人
約1000人もいるんです!1000人分の人件費と考えると、大きな割合を占めることが理解でいます。
日本の会社で1000人規模のところを調べたところ、テレビ朝日ホールディングスが2019年3月現在で、1261人いらっしゃるそうです。
テレビ朝日とマンチェスターユナイテッドが同じくらいの人数と聞くと、なんだか親しみがわきますね!
(どうでもいいか…)
そういえば、テレビ局もアナウンサーがいて、裏方さんがいて、番組制作していて…
なんだか共通点が多そうですね!!!
(どうでもいいか…)
今度機会があれば比較してみたいと思います!
(期待されてないか…)
まとめると、サッカーチームの費用の中で人件費が占める割合は大きいということです。
Other Operating expenses(販管費(減価償却除く)):142億円
ここには以下のものが含まれています。
・試合日の飲食提供
・警備員配備
・オールドトラフォード清掃
・メディアやスポンサー獲得にかかる費用
・事務所費用
・施設費用
・施設メンテナンス費用
・選手トレーニングにかかる費用
・外部プロフェッショナルに払う費用
などです。
人件費を除く、外注費や運営にかかるその他費用と考えていいです。

スプリンクラーの水道代もOther operating expensesですね!
Amortization(選手登録費の減価償却):168億円
Amortizationとは、償却費用のことで、具体的には選手や監督の登録費の減価償却を指します。
「償却」という難しい言葉が出てきました。
償却費用の詳しい解説は、次回以降実施したいと思います。
ただ1つだけ、覚えていただきたいことは、「移籍選手を獲得するとこの費用が何年かに分けてかかる」と覚えといてください。
「人件費(給料)」と何が違うねん!と思った方!
「人件費」は給料ですが、「選手登録費」は移籍金です!
移籍に使ったお金を何年かに分けて、費用として計上しているのです。
~難しいと感じる方は読み飛ばしてください~
ちなみに、選手登録費の償却期間は、選手や監督の契約期間です。
もし、選手が契約期間を残した状態で、契約を延長すると、償却の残りの費用が新しい契約期間に分配されます。
~ここまで~
Depreciation Impairment(施設の減価償却など):17億円
Depreciationはスタジアムやその他施設、芝、設備の減価償却を指します。
Amortizationは選手の償却費用ですが、Depreciationは施設や設備の償却費用です。
「施設を建てたり買ったりすると、この費用が何年かに分けてかかる」と覚えておいてください。
施設の償却費より、選手の償却費が10倍もあるとは、大金を使って選手を獲得するサッカーチームであるということが理解できます。
Impairmentは、資産の帳簿価格が回収可能価格を上回った時に発生します。IFRSで会計報告していると発生する項目です。
Exceptional items:25億円
Exceptional itemsは、マンチェスターユナイテッドの経営者が、単独で公開するべきだと判断した項目です。
2018/19シーズンでは、£19.6M(約25億円)の費用が発生しています。
これは、18-19シーズンにモウリーニョ監督からスールシャール監督に交代した際に、モウリーニョ監督やコーチに支払われた補償です。契約の違約金という形です。
驚きですね。
監督の解任に使った費用は、明示的に発表しようというマンチェスターユナイテッドもマンチェスターユナイテッドですが…
ちなみに、モウリーニョ監督は、そのうち21億円を手にしたそうです。
モウリーニョさん、監督クビにされただけで21億円もらえるんです。
モウリーニョさん意図的に成績不振にしたのでは…と勘繰りたくなる金額です。
そんなことないでしょうが…
まとめ
以上マンチェスターユナイテッドの費用についてお話ししました。

マンチェスターユナイテッドの費用項目は5つで報告されている。
Employee benefit expenses
Other operating expenses
Depreciation and impairment
Amortization
Exceptional items
人件費(Employee benefit expenses)の割合が半分以上。
モウリーニョ監督を解任した費用は、当てつけのように明示的に発表されている。(25億円)
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