【2018/19まで】マンチェスターユナイテッドの経営戦略と経営状況 過去5シーズン

2020年8月16日スポーツビジネス,プレミアリーグ

今回は2014/15シーズンから2018/19シーズンまでの、プレミアリーグに所属するマンチェスターユナイテッドの経営戦略と経営状態について解説したいと思います。

マンUの経営はうまくいっているのでしょうか?
うまくいっているのであればその原因は何なのでしょうか?
どのような経営戦略をとっているのでしょうか?

このブログは
スポーツビジネスに興味がある方
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にお勧めのブログとなっています。

日本にあるサッカーチームの経営分析ブログでは1番詳しいものになっています。(私調べ)
読み終わるころには、近年のマンチェスターユナイテッドの経営状態について把握でき、その要因もわかるようになっています!
プレミアリーグを見ながら、友達に経営のウンチクを語ってやりましょう!!(ウザがられるかな)

結論を先に行ってしまうと、マンチェスターユナイテッドは次のような戦略をとっています。
①高額な選手を移籍金で獲得することで、チームの成績を上げて放映権での収入を確保する。
②有名な選手を獲得することで、adidasなどの高額なスポンサー契約につなげる。
③移籍金を分割払いして高額選手を獲得している。
現在は、その戦略がうまくいっており、好業績につながっています。

このブログでは、マンUが発表している財務諸表である、損益計算書、貸借対照表をもとに解説しています。
それではサッカーチームの経営戦略を理解する旅に早速出かけましょう!

ちなみにマンチェスターユナイテッドの収益を分析したブログはこちら

マンチェスターユナイテッドの費用を分析したブログはこちら

マンチェスターユナイテッドの資産を分析したブログはこちら

(まずはじめに)グラフの読み方

今回はのブログには2種類のグラフが出てきます。まず前提となるその読み方、見方を解説しておきます。

損益計算書(A)

こんなグラフが出てきます。

これは、会社の売上費用営業利益を表したグラフです。
損益計算書と呼ばれるものを図示したものです。右側に売上左側に費用と利益が書かれています。

貸借対照表(B)

このグラフは会社の資産負債純資産を表すグラフです。

これは貸借対照表と呼ばれ会社の持ち物(資産)資金調達の方法(負債・純資産)がかかれています。

ざっくりいうと、資産は会社の持ち物で、負債は借金で、純資産は株式での資金調達です。
右側に、負債、純資産が書かれており、左側に資産が書かれています。

あんまり理解できなくても、最後まで読めば何となく雰囲気はわかります。

経営状況の概要

経営状況は、一言で言ってしまえば「GOOD」です。
今回は、売上推移営業利益率2つの視点から、経営状況を把握します。

売上推移

では早速経営状態の解説に入りましょう!
5年の損益計算書(A)を見ることで、大まかな流れをつかみます。
下の図は、「(まずはじめに)グラフの読み方」で最初に紹介した損益計算書5年分です。
一番左が2014/15シーズン、一番右が2108/19シーズンの5年間の推移です。

何度も言いますが、右側たが売上、左のオレンジ系が費用、緑が営業利益です。
売上は、5年連続で右肩上がりですね売上で判断すると経営はうまくいっているといえるでしょう。

営業利益率

営業利益率は、文字通り「利益」を表している指標です。10%程度が望ましいとされ、日本の上場企業の平均営業利益率は3%程度といわれています。

マンチェスターユナイテッドの5年間の営業利益率の推移日本の上場企業の平均営業利益率を図示すると下の図のようになります。

近年下降傾向にありますが、日本の上場企業平均の3%は上回っています。一時期は10%越えを果たしています。

営業利益率からみても、好業績だと言えるでしょう。

損益計算書からわかる好調の要因

次に、好調の要因について損益計算書(A)をみていきます。
放映権収入、グッズ収入、人件費3つポイントを解説します。

放映権収入

まず、注目いただきたいのは売り上げの中の放映権収入です。
ここには、プレミアリーグからの放映権とUEFAからの放映権、それらの賞金が含まれています。

5年間、爆上げの状況ですね。140億円だった放映権収入が、313億円になっています!5年前の2.2倍になっています。
プレミアリーグの放映権は年々高騰していますが、その恩恵をもろに授かっている状態です。

グッズ収入

つぎにご注目いただきたいのは、2014/15シーズンから2015/16シーズンにかけての、グッズ収入げの爆上げ具合です。

2014/15シーズン42億円だったグッズ売上が、2015/16シーズンに126億円になっています!
1年で3倍です!!!
これは、グッズが3倍売れるようになったからでしょうか?
急にファンが、1年に1枚買っていたユニフォームを3枚買うようになったのでしょうか?

実は違います
これはadidasとの長期契約が関係しています。
マンチェスターユナイテッドは、2015-16シーズンから10年総額1,300億円の契約を結んだといわれています。マンチェスターユナイテッドからすると1年で約130億円手に入るわけですから、ビッグディールですね。
アディダスとの契約で130億円手に入り、2018/19シーズンのグッズでの収入が134億円ですから、報道内容が正しければほぼ100%がアディダスとの契約でもたらされている売上です。
通常のグッズの売り上げは多くても10億円程度でしょう。
スポーツが権利ビジネスであるということがよくわかります。

人件費

人件費は、選手やスタッフの給料です。これは費用ですね。
年々右肩上がりになっていますね。

人件費は5年前の1.6倍です
年々選手に高い給料を払うようになっていることがよくわかります

放映権の伸び、グッズ収入の伸びがあるからこそ、選手に高い給料を払っても利益が出る構造になっているのがよくわかりますね。

貸借対照表からわかるマンチェスターユナイテッドの経営戦略

次に貸借対照表(B)を見てみましょう。
ここでは、近年マンチェスターユナイテッドは、高額な移籍金を払って選手を獲得する戦略をとっていること、さらにその戦略がうまくいっていることが再確認できます。
選手登録権、現金、買掛金3つの点を解説します。

下の図は、「(まずはじめに)グラフの読み方」で最初に紹介した貸借対照表5年分です。

繰り返しになりますが、グラフの左側が持物を表す資産で、右側が資金調達の方法を表す負債と純資産です。

選手登録権

資産の中で最も大きな割合を占めているのが、選手登録権ですね。
毎年資産の半分程度が選手登録権で、年々増加していっています。

これは移籍金を払って獲得した選手を表しています移籍金を払って獲得した選手は、チームの資産として貸借対照表に現れるのです。

年々増加していることが分かります。これは、年々移籍にかける金額が増加していることを意味しています。
つまり、人件費の増加から読み取れた高い給料を支払っているのは、生え抜きの選手だけではなく、移籍で獲得した選手にも払っていることが理解できます。
ポグバ選手やルカク選手を獲得したのも記憶に新しいですね。
2018/19シーズン前は、フレッジ選手などを獲得しましたが、移籍マーケットでうまく立ち振る舞えなかったと批判されていました。
2018/19シーズンは選手登録権の金額が減っていることからも、確かに 2018/19シーズンは移籍にかけるお金も例年より少なかったことが理解できます。
最近では、ワンビサカ選手やマグワイア選手を獲得しましたね。2019/20シーズンの貸借対照表を見ればこの項目は増加していることが確認できるでしょう。

現金

この現金という項目は、会社がうまくいっていなければ増加しない項目です。

5年連続で増加していますね。持ち物として、お金が増えていっている状態です。
やはり、経営状態がいいことが分かります。

買掛金

この項目は、移籍金を何年かで分割払いしたときに、残りの支払い移籍金を表しています。

買掛金も年々増加していっています。
分割払いで、まだ支払っていない金額だから、負債になるんですね。
後に支払わなければならないお金、つまりほかのチームに借金をしている状態になります。
このことからも、高額な選手を分割払いで獲得している戦略が理解できます。

まとめ

今回は、過去5シーズンの損益計算書と貸借対照表をそれぞれ確認マンチェスターユナイテッドの経営戦略と経営状況について解説しました。

経営戦略としては、
①高額な選手を移籍金で獲得することで、チームの成績を上げて放映権での収入を確保する戦略
②有名な選手を移籍金を支払って獲得することが、adidasとの高額なスポンサー契約を受注につなげるという戦略。
③移籍金を分割払いして高額選手を獲得している。

これらの戦略が現在の
売上増、営業利益率良、現金資産増、という好業績、経営状態につながっている。

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がみ
国立大工学研究科➡国内大手企業(社員5,000人の中から、選抜制海外駐在員に抜擢される)➡2年制国内フルタイムMBA(スペインIE business schoolに半年間交換留学)➡フリーランス
サッカー歴25年
欧米サッカー現地観戦試合数30試合以上
元社会人関東1部サッカーリーグ所属、元Jリーグチームインターン、元甲子園売り子
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