ケースメソッドと座学の授業はどちらがよいか?MBA卒業生が経験を語る
こんにちは
今回は、MBAの授業で多く取り入れられているケースメソッドについて私が体験したメリット、デメリットをMBA卒業生の観点から述べたいと思います。
私は、国内MBAを卒業し現在自営業者として活動しています。
在学中は、ケースメソッドによる授業と座学の授業を日本で受けたのち、交換留学先でも英語でケースメソッドと座学による授業を受けました。
そんな私がケースメソッドに対して個人的な意見を述べたいと思います。
MBAの学校によっては、ケースメソッドの授業と座学の授業の割合が異なっており、受験するMBA学校選択の一助となれば幸いです。
ちなみに
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ケースメソッドとは
まず、最近MBAに興味を持ち始めてケースメソッドとは何か知らない方のために、少しだけケースメソッドについて解説したいと思います。
ケースメソッドとは、ハーバード大学で開発されたとされている授業の手法の一つです。
日本の義務教育のように先生が前に立って授業中はずっと先生の講義を聞く座学形式の授業とは違い、実際に起きた事例(ケース)を通して、授業中にそのケースに対する生徒同士のディスカッションを通じて学びを深めていく授業手法です。
生徒の立場からすると、例えば成績評価も従来の評価とは異なります。
座学の授業では、テストやレポートで成績がつけられたと思います。
ですが、ケースメソッドでは、いかにクラスディスカッションの中でディスカッションに貢献したかで成績がつけられます。
ケースメソッドでの生徒の雰囲気
ケースメソッドは日本の義務教育の座学の授業とは違いディスカッションへの貢献度で成績がつけられるため、授業中の生徒の授業態度は、皆さんが想像しているものと全く異なったものとなります。
ケースメソッドの授業中に授業を聞いていない人は、ほぼいません。
なぜなら、ディスカッションの流れを読みながら発言しなければならないからです。
例えば、授業の途中で寝てしまって起きてから授業に参加して発言したとしても、寝ている間に他の人が同じ趣旨の発言をしていると、授業を聞いていなかったことが一瞬でばれてしまいます。
同様の発言を指摘された時の恥ずかしさったらありません。
そのため、授業が始まる前はやや教室がピリピリしています。
さらに、教授に指名されなければ発言の機会がないため、みんなこぞって手を上げます。
わかりやすく言えば、ハリーポッターのハーマイオニーがたくさんいる感じです。
みんなずっと手を挙げているのです。
授業を受けていくうちに慣れてきましたが、初めはかなり面喰いました。
さらに、海外ではかなりの強者もいました。
教授に指名されるまで、5分でも10分でもずーっと手を上げ続けている人がいました。
さすがに、少しやりすぎかなと思いましたが、その授業に対する姿勢は見習わなくてはならないと思い、自分の授業に対する気持ちを一層引き締めました。
私が感じたケースメソッドのメリット
ここでは私が感じたケースメソッドのメリットを2つご紹介したいと思います。
自分の考えをアウトプットする機会になること
学習において、学習した考え方や方法を自分なりに解釈しアウトプットすることは非常に大切です。
知識の定着にもつながりますし、そもそも自分の考えをアウトプットする練習になります。
みなさんご存じの取り、ビジネスはアウトプットの連続です。
例えば、新規事業やベンチャービジネスにおいては、自分のビジネスプランをピッチすることで資金を獲得することができます。さらにその自分のビジネスアイディアを実行することも、一種のアウトプットと言えます。
営業もアウトプットですし、会計や財務でさえ最終成果物はアウトプットです。
ビジネスの世界ではアウトプットの質で成果を判断されるため、アウトプットを繰り返すことはとても大切だと思います。
さらに、学者であっても最終的には論文という形でアウトプットしなければならないため、職業が何であれ自分の考えをアウトプットする作業は必要となってきます。
アウトプットのの訓練が詰めるという点で、ケースメソッドは素晴らしい教育法だと言えます。
他人の考えを聞くことで、自分の考えを整理できること
もう一つのメリットは、他人の考えが自分の考えを昇華させてくれることです。
もう少しわかりやすく言えば、自分が分かっていなかったことが分かるとでもいうのでしょうか。AHA体験ができるということだと思います。
例えば私の経験で言うと、各授業には議論するトピックがあるので、例えば私はマーケティングの教科書のそのトピックの章を読んで授業に挑んでいました。
授業は当然そのトピックの話になるんだろうなと意気揚々と授業に挑んでいるのですが、他の生徒は当該ケースの企業の課題はマーケティングではないと言い出します。
私はこう思います。
おいおい待ってくれ、と。そもそもマーケティングの授業なのに、マーケティングの課題じゃないなんてどういうことやねん、と。
でも、話を聞いていくうちに、確かにマーケティングの課題は最重要課題ではないのかもしれないと考えさせられます。
結果として、自分が無意識的に持っていた前提条件がひっくり返るという体験を何度もしました。
この体験は、座学の授業では味わえないケースメソッドならではの体験です。
私が感じたケースメソッドのデメリット
デメリットとしては、授業中の発言を重視するため、時々何の授業かわからなくなることがあります。
2つ目に挙げたメリットの裏返しですが、授業の当該トピックについての知識は自習していることが前提となるため、そのトピックについての議論とならないことも多いです。
教科書的に、1~10まで懇切丁寧に教えてほしいという人にとっては、少しギャップを感じる授業かもしれません。
まとめ
以上、ケースメソッドについて私が感じたメリット・デメリットを述べてきましたが、私としては、ケースメソッドについてポジティブな印象を持っています。
私自身、発言でのアウトプットが苦手で、授業中に発言するのはつらい一面もありましたが、普通に生活しているだけでは味わえない特殊環境に置かれ、アウトプットの練習ができたことはとても良い経験だったと感じています。
シャイな人にとってこそ、おすすめの手法かもしれません。
みなさんの学校選択の一助となれば幸いです。
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